萩往還に続いて、長州藩の主要街道の一つ、石州街道をイラストとミニ解説で辿ってみたい。石州街道は小郡と津和野藩との国境とを結ぶ約52キロの街道である。歴史的には萩往還より古く、すでに室町時代には整備されており、ザビエルや雪舟もこの道を経由して山口に入ったと言われている。庶民の生活道でもあったが、幕末に藩庁が山口に移されると、山口と下関とを結ぶ政治の道として多くの志士たちが駆け抜けた歴史街道でもある。
新山口駅の北北東約1キロ、山陽道と石州街道の交点に街道の起点、津市の道標が建っている。「右 京、江戸」「左 山口、石見」と記してあるが、これはレプリカで、本物は近くの民家の庭にあるので注意されたい。
文・イラスト=古谷眞之助