春の野山のあちこちでよく見られたタンポポ。今の時期ではもう花が終わって綿毛ができ、実(果実)が飛んでしまった株が多くなりますが、これらのタンポポにもいろいろな種類があることをご存じですか?
山口県内でよく見られる黄花のタンポポは、外来種の「セイヨウタンポポ」が多いのですが、同じ外来種でも果実が赤っぽい「アカミタンポポ」などがあります。県内では在来種のタンポポもがんばっていて、黄花では「カンサイタンポポ」「トウカイタンポポ」などが見られ、白花では西日本で多く見られる「シロバナタンポポ」の他に「キビシロタンポポ」なども見られます。
このように、タンポポは県内だけでもいろいろな種類があり、総苞片(そうほうへん)の反り返りなどでも見分けられますが、区別が困難な雑種も多く謎がたくさんあります。そのため西日本の各地で協力して調査を進めているところです。
山口県立山口博物館 植物担当 杉江 喜寿