6月19日(日)まで、山口県立美術館(山口市亀山町3、TEL083-925-7788)で企画展「野田弘志 真理のリアリズム」が開催されている。
1936年韓国(本籍地は広島県)に生まれた野田は、福山、上海と転居の後、1945年に日本に帰国。1961年、東京藝術大学卒業後はイラストレーターとして活躍していたが、絵画制作への想いは強く、30代半ばから画業に専念するようになった。1983年には加賀乙彦の小説『湿原』(朝日新聞朝刊連載)、1987年には宮尾登美子「松風の家」(『文藝春秋』連載)の挿画を担当。静物、化石・骨、人物など、年代ごとにメインとするモチーフや主題は変化しながらも、一貫して見事なリアリズムで描いてきた。
今回は、学生時代、イラストレーター時代、画壇に登壇した時期の作品のほか、近年手がけている等身大肖像画など約180点を展示。現代日本のリアリズム絵画を代表する野田が歩んできた「リアリズムの道」を回顧する展示内容となっている。
同館専門学芸員の矢追愛弓さんは、「観察に基づくリアルな描写と『生』と『死』のドラマが見どころ。《聖なるもの THE-IV》は、庭に出現したという鳥の巣が描かれた作品。巣の写真を撮った後、卵は5個に増え、ヒナがかえったものの、ある日突然、巣ごと忽然と消えてしまう。次世代の命を守るため、繊細に頑丈に作られている鳥の巣が、何かあると儚く消えてしまう。そんな命の尊さ、生きていることの奇跡について考えさせてもくれる作品」と語り、「モチーフがまるで目の前に在るかのような、驚くばかりのリアルさ、存在感を堪能して」と来場を呼びかけている。
開館時間は午前9時から午後5時まで(入館は4時まで)。観覧料は一般1400円、70歳以上と大学・高専生1200円。18歳以下は無料。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大の状況に応じて、開館時間の変更やプログラムが変更される場合がある。
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希望者は住所、氏名、年齢、電話番号、「身近であった楽しい出来事・話題」(匿名での紙面紹介あり)を明記し、はがきかメール( 〒753-0064 山口市神田町8-1、info@sunday-yamaguchi.co.jp )でサンデー山口「野田弘志展」係へ。6月9日(木)必着。当選発表は、発送をもって代えさせていただきます。