市民向け公開学術シンポジウム「ブラックホールの研究最前線」が、6月18日(土)午後2時半から5時まで、山口大大学会館大ホール(山口市吉田)で開かれる。主催は山口大学時間学研究所で、会場だけでなく、オンラインでも聴講できる。いずれも無料。
今回のシンポジウムでは、ブラックホールの研究紹介を通じて、私たちの日常生活の時間スケールから大きく離れた宇宙における時間や現象の存在について、またそれを理解しようと努力している人々の様子を知ることができる。
まず、山口大学大学院教授で時間学研究所兼務所員の新沼浩太郎さんが「ブラックホールから飛び出す物質『ジェット』」について話す。
続いて、国立天文台水沢VLBI観測所所長・教授の本間希樹さんが「人類が初めて見たブラックホールの姿」の演題で講演。本間さんは、超高分解能電波観測による銀河系天文学を専門とし、特に、銀河系の構造研究と、巨大ブラックホールの研究をしている。世界各地に点在する電波望遠鏡を結合させて、地球サイズの口径を持つ仮想的な電波望遠鏡を作る「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)プロジェクト」に日本側の責任者として参加。同プロジェクトは2019年4月、地球から5500万光年離れた楕円銀河M87の中心にあるブラックホールの撮影に、人類史上初めて成功した。
会場での聴講の定員は200人(先着)で、同研究所ウェブサイトの専用フォーム(https://ds23e.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~jimu/form/?en=220422134845)からの事前申し込みが必要。オンライン聴講は申し込み不要で、配信先URLは当日の朝、同研究所のウェブサイト(http://www.rits.yamaguchi-u.ac.jp/)に掲載される。
同研究所は、数学者の広中平祐氏が同大学長時の2000年に設立された。「時間」に関して、文系・理系の枠を超えた研究や、その成果を大学に留めるのではなく、広く社会に還元することを目指している。
問い合わせは同研究所(TEL083-933-5848)へ。