小道具の「張り扇」で演者の前に置かれた「釈台」をパパンと叩き、リズミカルな調子で歴史物から怪談まで臨場感たっぷりに読み上げる究極の話芸、「講談」。洞春寺(山口市水の上町5)で「神田京子講談会~糸入り怪談」が6月26日(日)午後2時から開かれる。椅子席あり。出演は、山口市在住の講談師・神田京子さん、津軽三味線奏者の山中信人さん、落語家の三遊亭金の助さんの3人で、主催は神田京子講談会実行委員会。
江戸時代には、講談は寺社で催されていたことから、「山口市内でなかなか聞く機会のない講談を山口のお寺で再現できたら」と主催の同会が企画。洞春寺と神田さんに相談したところ、両者とも快諾。さらに、「お寺なら怪談がいいのでは」と、演題の「番町皿屋敷」や山中さんの津軽三味線とのコラボレーション、三遊亭金の助さんの出演が決まった。
神田さんは2020年2月、山口市内に移住した講談師(日本講談協会、公益社団法人落語芸術協会所属)。日本大学芸術学部在学中の1999年、二代目神田山陽に入門し、2005年二ツ目、2014年真打ちに昇進した。各種講談会や浅草演芸ホール・新宿末広亭など都内の寄席に出演の傍ら独演会を開催し、テレビ・ラジオ出演も多数。2021年には、第76回文化庁芸術祭大衆芸能部門優秀賞と岐阜県芸術文化奨励賞を受賞した。
津軽三味線奏者の山中さんは、15歳で単身青森県弘前市に渡り、津軽三味線奏者、山田千里の内弟子として4年間修業。毎年青森県弘前市で行われる津軽三味線世界大会では、2016年から最上級A級3連覇を達成し殿堂入りし、海外での演奏も多数。
落語家の三遊亭金の助さん(公益社団法人落語芸術協会所属)は、2014年に三遊亭金遊に入門。2018年に二ツ目昇進した若手のホープだ。
当日はまず、落語、講談、津軽三味線をそれぞれが披露する。演目は当日の「お楽しみ」だ。休憩を挟み、後半は神田と山中による「番町皿屋敷」。神田さんのキリッとした語り口と、バチを叩きつけるように激しく演奏する三味線の強さは見もので、「オンラインではないライブならではの見ごたえ、聞きごたえをぜひ味わって」と、同実行委員会の新保秀子さん。
料金は、一般3000円、大学生1500円(当日は各500円高)。高校生以下は無料で、YCAM、山口市民会館、C.S赤れんがで購入できる。問い合わせは、新保さん(TEL090-6412-8047)へ。