9月3日(土)、山口の夏祭りの最後を飾る「もりさま祭」が、長寿寺(山口市本町1)境内をメイン会場に開かれる。主催は、荒高町内会などでつくる同実行委員会。
「もりさま」とは、かつて同地にあった荒高神社の通称で、現在は今八幡宮(同市八幡馬場)境内にある八柱神社に合祀されている。菅原道真公を祭神とし、学問の神様としてはもちろん、火難除けの神様としての信仰も厚い。大内氏の時代、後河原や堂の前など広範囲で大火があった時、天神様が森から白馬に乗って「火の用心せよ」と触れ回ったおかげで、荒高が火難を逃れたという言い伝えも残っている。
毎年9月1日の恒例行事だった「もりさま祭」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年と2021年は中止された(神事のみ実施)。今年は、2月の会議で「縮小してでもやろう」となり、8月に入ってから正式に開催が決まった。その際、今回は土曜日に実施することも決定した。
当日は、午後1時半から今八幡宮で神事が執り行われる。本殿から神輿(みこし)に神様の分霊を移し、トラックで長寿寺へ運ぶ。例年は、県立大の学生らが神輿を担いで巡行させるのだが、今回はコロナ禍で断念した。
境内でのお祭りは、6時から9時まで。から揚げ、ジュース、かき氷など町内有志による手作り夜店やバザーが並び、自転車やお米などが当たる福引きも。子どもたちが輪投げやけん玉など10種類の「遊び」を満喫できる「こどもワンダーランド」には、例年以上に力を入れるという。ただし、太鼓演奏やよさこいなどのステージイベントは中止となった。
同祭実行委員長の田中宏之さんは「この2年間、神事だけだと寂しかったが、久しぶりの開催に神様も喜んでいると思う。今年は週末の開催にしたので、ぜひ多くの人に来てほしい」と話している。