京都や大阪で生まれ、三味線や鳴り物を効果音に用いた賑やかな上方落語と、シンプルに噺を聞かせる東京の江戸落語。演出や言葉遣いなどにも違いがあり、それぞれに味わい深い魅力がある。東西の落語の"競演"が楽しめる「特撰東西落語名人会」が、9月23日(金・祝)に山口市民会館(山口市中央2)で開かれる。時間は午後2時から。
出演するのは、「日本一多く高座に出ている落語家」と称される桂文珍、上方落語協会の副会長を務める桂米團治(よねだんじ)、江戸落語を追究した人間国宝柳家小三治門下の柳家三三(さんざ)の三人だ。
桂文珍は、1948年12月兵庫県生まれ。1969年 に三代目桂小文枝(後の五代目文枝)に入門。上方落語会をけん引する重鎮の一人で、古典から時代を切り取った新作まで、持ちネタは幅広い。1983年に上方お笑い大賞で大賞、翌1984年には日本放送演芸大賞で奨励賞、2008年度の芸術選奨文部科学大臣賞など、受賞歴多数。2010年には秋の叙勲で紫綬褒章を受けた。さらに、今年2月には、日本テレビ系演芸番組「笑点」に病気療養中の三遊亭円楽の代役として初出演し、会場を沸かせた。
桂米團治は、1958年大阪府生まれ。関西学院大学在学中の1978年に父である桂米朝に入門して桂小米朝、2008年に五代目桂米團治を襲名した。1992年大阪府民劇場奨励賞、2005年兵庫県芸術賞奨励賞などを受賞。趣味はピアノ演奏、絵画、モーツァルト・古代史・国際経済の研究と幅広く、上方落語とオペラを合体させた「おぺらくご」という新分野も確立した。
柳家三三は、1974年神奈川県生まれ。中学1年の時、浅草演芸ホール(東京)で十代目柳家小三治の高座を見て噺家の道を志し、高校卒業後の1993年に小三治に入門。1996年二ツ目昇進「三三」と改名し、2006年真打に昇進した。「端正な語り口」が評判で、2007年度文化庁芸術祭大衆芸能部門で新人賞、2010年度花形演芸大賞で大賞、2016年度文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞などを受賞。声優、俳優、漫画の落語監修など多方面でも活躍している。
当日の演目は、噺家自身が客の顔ぶれを見て決める。チケット料金は4300円(全席指定)で、同館、YCAM、山口井筒屋(総合サービスサロン)、三好屋レコード店、チケットぴあ、イープラス、エイフル企画(「特撰東西落語名人会」、TEL0120-241-052)で購入できる。未就学児は入場不可で、託児サービス(1人700円、2人目以降500円)希望は、9月16日(金)までに申し込むこと。
問い合わせは同館(TEL083-923-1000)へ。