山口市湯田温泉4に、コンベンション施設「かめ福オンプレイス」と、ホテル「お宿Onn湯田温泉」がグランドオープン。9月1日の昼には、お披露目の会が開かれた。
両施設は、2020年3月まで「ホテルかめ福」が営業していた地に整備された。同ホテルを運営していた湯田かめ福(梅林義彦社長)が、施設の老朽化と旅行ニーズの細分化など時代の変化に対応するため、ホテル棟の解体・新築と、宴会棟(コンベンション施設)の大規模改築を行ったもの。隣接する駐車場も大幅に駐車台数を増やし、約400台収容になった。総事業費は約35億円。
コンベンション施設「かめ福オンプレイス」は、鉄筋コンクリート造3階建てで、延べ床面積は6600平方メートル。大小合わせて20室を備え、さまざまな会議や宴会に対応。各会場をライブ中継でつなぐこともでき、立食なら最大1000人のパーティーも可能だ。温浴施設「ふくふくの湯」は、一般入浴も可能(正午~深夜0時)で、男性用にはサウナ、女性用には岩盤浴を備える。そして、ビュッフェスタイルのレストラン「オンプレイス」は、当面はディナー(予約制)のみだが、10月からランチ営業もスタートさせる。
一方「お宿Onn湯田温泉」は、宿泊に特化したホテル。6階建てで、7タイプ・115室からなる。宿泊者は、かめ福オンプレイスの各施設を利用できる。実際のホテルの運営は、全国の旅館の運営受託やコンサルティングをしている女将(おかみ)塾(三宅大功社長、東京)に委託した。2004年設立の同社は、最初に受託した案件が湯田温泉のホテルだったという縁がある。
お披露目の会には、村岡嗣政県知事、伊藤和貴山口市長ら約250人が参加。2階と3階の会場をライブ中継でつなぎながら開かれた。梅林社長(64)は「昭和、平成、令和と時代が移り、価値観が多様化する中で、コンベンションと宿泊とを分離し、それぞれに特化することで、よりレベルの高いサービスを提供できると考えた。近隣のビジネスホテルに宿泊されたお客さまや、市民の皆さまにも、弊社の温泉やレストランを利用してもらい、喜んでもらえたら。ひいては、湯田温泉の活性化にも寄与していきたい」とあいさつした。
湯田かめ福は、1937年2月に「湯田温泉かめ福」として、広島県宮島の「かめ福」から"のれん分け"開業。太平洋戦争の苦難を経て、1954年には中国地方で第1号の政府登録国際観光旅館に認定されるなど、時代に合わせた"アップデート"を85年にわたり続けている。