瑠璃光寺五重塔の門前で観光物産館を経営する長州苑(山口市木町1)が、新店舗を建設。現店舗と合わせて、9月23日(金・祝)にリニューアルオープンする。
現店舗の正面に整備される新店舗には、売店機能が現店舗から移転。「ALL 山口」を合言葉に、これまで以上に品ぞろえを充実させる。山口県内全域から、魅力ある土産物や特産品をセレクト。団体・個人観光客のお土産としてはもちろん、「地元・山口の人たちの『お持たせ』やギフト、家庭での食事など、さまざまなシーンでみなさんに喜んでもらえる品々を取り揃えていく予定」と同社。
さらに、テイクアウトの「5縁cafe」を併設。店名は、五重塔を連想させる「5(go)」と、人との繋がりを意味する「縁(en)」から名付けた。ここでは、Nishida Coffeeによる「大内栄華ブレンド」と「毛利維新ブレンド」、2種類のオリジナルコーヒーを日替わりで提供する。さらに、生産者や店舗とコラボして新メニューも開発し、インスタグラム等SNSでも"映える"山口市の「誇れる味」を発信していく方針だ。第1弾として、「飲む外郎」を開発・商品化した。「大内人形焼」の販売も予定しているという。
一方、現店舗では、山口市の伝統工芸「大内塗」「徳地和紙」の製作体験ができるコーナーを設ける。
前者は「大内人形の絵付け体験」で、大内人形に髪、顔、着物の模様を描き、世界に一つだけの「My大内人形」を作る。漆ではなく、アクリル絵の具を使用するので安全だ。
後者は、徳地和紙を使った折り染め体験。折り方や染める位置によって毎回模様が変化するため、広げてみるまでわからないワクワク感が楽しめるという。染めた和紙は、タペストリーにして持ち帰ることができる。
新型コロナウイルス感染拡大によって、観光業界は大きな打撃を受けた。同社も、2020年2月後半からの予約がほぼキャンセルになるなど、コロナ禍にの中、厳しい経営状況が続いている。そのような中での新たなチャレンジについて河野貴史社長(39)は「コロナ禍以前は、団体旅行客8割・個人旅行客2割というお客様の割合だった。今後は、個人旅行における食事・アクティビティ・土産購入などの『旅なか』需要に積極的に関与し、収益化していこうと考えた。そのためにも、より地元に目を向け、観光で山口を訪れる人はもちろん、地元の方々にもその魅力を伝えるお手伝いをしていきたい」と話している。