10月6日(木)午前10時から午後5時まで、洞春寺(山口市水の上、TEL083-922-1028)で「第41回中国観音霊場会合同法要」が開催される。参加無料で予約も不要。
霊場とは、神社・仏閣など信仰の対象になっている場所のことを指す。そして、平安時代以降約1200年にわたり、霊場を巡る行為(巡礼)は「日本人の魂の拠り所」となってきた。代表的なのが「四国八十八ケ所霊場」で、山口市内では「秋穂八十八ケ所霊場」が有名だ。
「中国観音霊場」は、岡山・広島・山口・島根・鳥取の中国地方5県に点在する観音信仰の根付いた37の寺で構成されている。そして、名を連ねている各寺院からなる「中国観音霊場会」は、全加盟寺院が参加する合同法要を毎年1回持ち回りで開催しており、2019年で38回目を数えていた。だが、コロナ禍で39回(2020年)と40回(2021年)は中止に。同寺が会場となる今年は、3年ぶりに開催できることとなった。
「ようやく実施できるのなら、地域の方々にも広く来てもらいたい」と同寺の深野宗泉住職は考え、法要だけではなく、参道、境内、本堂など同寺全体を会場にする縁日や音楽演奏なども企画した。
午前10時から観音堂で行われる鼓谷義之さんと百華さんによる「観音岩戸開きの舞」の奉納で幕開け。鼓谷さんは、広島県在住で和楽器奏者として活動。百華さんは山口市在住で、比叡山延暦寺や厳島神社など、全国各地の神社仏閣で舞を奉納している即興舞踏家だ。午後0時半からは「音浴」。電子ピアノの弾き語りや、龍笛、篳篥の演奏が本堂である。
そして、参道や境内には様々な店舗が出店。焼き菓子やパン、クラフトビールなどの飲食店や、フラワーアレンジメント、萩焼販売、山口大学の学生による輪投げコーナーなど13の団体が軒を並べ、キッチンカーでの購入や占いも楽しめる。
また、本堂では毛利元就の念持仏(個人が身辺に置いていた仏像)だった十一面観音および脇侍の不動明王と毘沙門天が、観音堂では聖観世音菩薩がご開帳される。
「本堂のご開帳は40年に一度あるかないかのこと。ぜひお参りください」と深野住職。
同寺は毛利元就の菩提寺で、山門と観音堂は国の重要文化財に、鐘楼門は山口市有形文化財に指定されている。