人気浪曲師・玉川奈々福がプロデュースする「浪曲でつづるあなたの町の物語」の山口公演が、10月10日(月・祝)午後2時から、洞春寺(山口市水の上町5)で開かれる。
落語や講談と違い、旅回りが主戦場だった浪曲だが、今は東京・大阪での活動が中心になっている。そこで、若手たちに旅先でのご当地ネタを披露する経験を積ませたい、というのが開催目的の一つ。もう一つは、(浪曲に親しみはないが)地元の歴史に興味がある人、(地元の歴史に興味はないが)演芸が好きな人、互いに浪曲と土地の魅力に触れてもらうことで、それぞれの良さを知ってもらうことを狙っている。静岡県下田市、山梨県甲府市、北九州市&下関市、山口市、広島市、静岡県菊川市、大阪市、栃木県日光市、京都市の全国10カ所限定開催だ。
山口公演のタイトルは「長州伝説 宮本武蔵・伊藤博文」。巌流島の決闘「宮本武蔵」は天中軒景友が、伊藤博文ら長州ファイブの「英国密航」は奈々福がうなる。さらに、浪曲レクチャーも実施され、その歴史や楽しみ方も教えてもらえる。出演は他に、玉川奈みほと沢村美舟(曲師)。
前売券は、一般2500円、大学生1500円で、YCAM、山口市民会館、C・S赤れんがで販売中。当日券は、一般3000円、大学生2000円で、「子どもたちにも聞いてほしい」と高校生以下は無料。
問い合わせは、「山口で寄席を開く会」の阿武かおりさん(TEL080-3092-2354)か新保秀子さん(TEL090-6412-8047)へ。ショートメッセージでのチケット予約も可能だ。
浪曲師・曲師(浪曲三味線弾き)の玉川奈々福は、筑摩書房で編集者をしていたが、1995年に会社員生活を継続しながら浪曲師・玉川福太郎に曲師として入門。2001年より浪曲師としても活動を始め、2006年12月に芸名を美穂子から奈々福に改め名披露目(なびろめ)。2014年に同社を退職するまで、二足のわらじを履き続けた。現在では、さまざまな浪曲イベントをプロデュースする他、自作の新作浪曲や長編浪曲も手掛け、他ジャンルの芸能・音楽との交流も多岐にわたる。「平成30年度文化庁文化交流使」として海外7カ国で公演を行ったり、今年7月にはNHKEテレ「100分de名著」の「太平記」に朗読出演するなど活躍中。第11回伊丹十三賞を、2019年に受賞した。