旧幕臣から初代山口県令(山口県知事)へと転じた中野梧一とはどのような人物だったのか…。10月15日(土)午後1時半からYCAM(山口情報芸術センター、山口市中園町7)で、歴史講演会「中野梧一~幕臣から初代山口県令へ」が開かれる。講師を務めるのは、本紙に「幕末維新 山口れきし散歩」を連載中の松前了嗣防長史談会山口支部長。聴講は無料だが、事前に申し込みが必要だ。
中野梧一は、1842年に江戸で生まれた。幕府勘定方の役人で、1869年の箱館五稜郭の戦いでは、榎本武揚らとともに新政府軍に対して旧幕府軍として最後まで戦った。敗北後捕虜となったが、翌年釈放。1871年に山口県の参事に登用され、3年後の1874年8月に県令(山口県知事)に任命された。
旧幕臣が討幕派の領地に県幹部として赴任するのは極めて異例な人事だった。在任中は全国に先んじて地租改正を断行するなど近代化政策を推進したが、1875年12月に辞職。その後、関西の実業界に身を投じたが、1883年に41歳の若さで自殺した。墓は長寿寺(山口市本町)に建立されている。
講演では、中野が山口県に赴任することになったいきさつや、山口での出会いやその後の人生など、彼の波乱万丈な生涯について聞くことができる。
聴講希望者は、主催する山口市立中央図書館(TEL083-901-1040)へ電話で申し込む。定員は先着300人。