ちょっとした集いで、昼食に、「おにぎり」を作ることになった。これは困った。私は三角のおにぎりが握れない。
海苔が巻かれ、食欲をそそる三角おにぎり。日本を象徴するおにぎり。私はそれが握れない。
皆は熱い炊き立てご飯を、塩をつけた掌の上でホッホッと転がしながら、左右の手を組み合わせてあっという間にピーンと立った三角に結んでいく。私は海苔をつける役目をしようとしたが、海苔をのせたら、最後に軽く握らねばならない。すると、今まで鋭角であった三角が鈍角になり、だらしなくなる。じっと手を見る・・・。
自宅でのおにぎりは俵型だ。
「おにぎり」とは、そもそも何ぞや? 『御握り(おにぎり)」・握り飯の丁寧な言い方。男性は、「握り飯」、女性は「おにぎり」ということが多い』。
それでは、『握り飯(にぎりめし)』とはなにか?『米飯を、両方の手のひらで握れるほどの大きさの丸・三角・俵型に握り中に梅干し・さけ・たらこなどを入れたもの』(類語大辞典)。
俵型も立派なおにぎりなのだ。
部屋の隅でうろうろしている間に、きれいな三角の海苔つきおにぎりが並んだ。白と艶やかな黒。なんてきれいで美味しそうなんでしょう。