山口県は2022年10月に「障害のある人もない人も共に暮らしやすい山口県づくり条例」を制定。これを記念して、12月17日(土)午前9時半から正午まで「共生社会づくり県民フォーラム」を開催する。山口県と山口県社会福祉士会が主催で、会場は山口県健康づくりセンター(山口市吉敷下東3)。定員は400人。
フォーラムではまず、条例についての説明がされる。続いて10時からは「共生社会づくりに向けて」の演題での記念講演。講師を務めるのは、下関市出身の東京2020パラリンピック女子マラソン(視覚障害T12)金メダリスト、道下美里さん。同パラリンピック開催による障害者への理解や社会の意識の高まりについて感じたことや、日常生活での暮らしにくさ、自身がしている工夫、求めたいサポートなどについて、対談形式で語る。
続いて11時10分からは、活動事例「障害について理解を深めよう」、協働事例「地域における共生社会づくりを進めよう」、2件の事例発表がされる。
聴講は無料だが、事前の申し込みが必要だ。希望者は、ウェブサイト(https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/soshiki/50/)に記載の応募フォームからか、住所、氏名、電話番号、ファクス番号、配慮事項、(あれば)道下さんへの質問を記載して、ファクスで同会(083-922-9915)へ申し込む。
「障害者が感じている不便さは、ちょっとした配慮で変わることも多い。誰もが暮らしやすい社会をつくるため、一緒に考える機会になれば」と、主催の県健康福祉部は参加を呼びかけている。
新たな条例が施行
共生社会の実現に向け、2021年6月に障害者差別解消法が改正。山口県は、国によるこの法改正や東京2020パラリンピックを契機に、障害を持つことで差別されることがない県を目指し、協議を開始。「障害のある人もない人も共に暮らしやすい山口県づくり条例」が県議会で可決成立し、2022年10月11日に施行された。
この条例によって、事業者(個人・法人を問わず商業その他の事業を行う企業、団体、店舗)による合理的配慮(手助けや配慮の申し出があった場合、負担が重すぎない範囲で対応すること)の提供が義務化されることになる。事業者に関する規定の施行は、周知期間を設けた後の2023年4月1日から。利用者が差別的な扱いを受けた際に県にあっせんを求めたり、県は事実調査を行い、事業者に必要な措置を取るよう勧告したり、従わない場合は公表できることなどが定められている。