好きな言葉は沢山あるが、近頃のお気に入りは『人間は埃では死なない』。
掃除は下手で面倒。四角部屋を丸く掃くなんて序の口。窓ガラスなんて、見るのも怖い。
小景−漢字喜遊曲(吉野弘)
細かな塵埃が/燦めきながら宙を舞っています/塵の中には鹿がいて/埃の中には矢があって/ああ、空中狩猟図です
ある晴れた日、今日こそはと障子の桟にハタキをかけたら、吉野弘氏の詩のとおり、鹿が走り、箪笥の陰から矢が放たれたのです。掃除は止めて空中狩猟図を眺めていました。
「冬になったら、草は枯れますよ。そして立派なたい肥になる。地球の表土は薄いんです」。
我が家の道沿いの塀際の草を取っていた時、通りがかりの黒いカバンを小脇に抱え、空色のネクタイをした白髪の紳士の言葉。にっこりと笑いかけてサッサと行ってしまわれた。そうだ、いいことを聞いた。草取りは止めて地球の表土を増やそう。
「果報は寝て待て」。
春でもないのに眠い。ちょっと、と思って昼寝をするとぐっすり三時間! 起きると玄関に土つきのさつま芋が置いてあった。ご近所さんからの美味しいプレゼント。今日はさつま芋の天ぷらにしよう。