1550年、山口を訪れたフランシスコ・ザビエルは、当時の山口の守護大名、大内義隆に謁見して布教の許しを願い出たが、男色の風習は神の教えに背くと強く非難したため義隆の怒りを買い、許されなかった。止む無く京に向かったが、戦乱で疲弊した京での布教は諦めざるを得ず、平戸に戻った。そして用意してきた献上品を携えて義隆に許しを得るために再び山口に入った。1551年、珍しい献上品に機嫌をよくした義隆はついに布教を許し、廃寺となっていた大道寺を与えた。
イラストは、大道寺のあった場所と推定されている山口市金古曽町のサビエル記念公園である。ここでは、わが国で初めてクリスマスのミサが行われたとも言われている。
文・イラスト=古谷眞之助