クリスマスの前の日、デービーは動物たちにあげる食べ物をポケットに入れ、雪の降るなか、森にひとりで出かけていきました。
そこで目にとまったのは小さな足あと。それをたどっていくと、わなにかかったきつねを見つけました。
「この わなを はずしておくれ」と頼まれたデービーは、きつねが口をきくのにびっくり。
「きつねさん、はなしが できるの?」「できるとも。こんやは、クリスマス・イブじゃないか」
そう、今夜はクリスマス・イブ。一年のうちでも特別な夜なのです。
白黒とカラーのページが交互に続くリズムにのってデービーとともに読者も、ゆったりと不思議の世界へ導かれていきます。
きつねは、助けてもらったお礼に、デービーを動物たちのパーティーに招待してくれました。明け方近くにはサンタクロースがやってきて、デービーは茶色いこうさぎをもらいました。
翌朝、自分のベッドで目をさましたデービーが居間のクリスマスツリーの下で見つけたのは、きのうの夜サンタクロースにもらったあのうさぎだったのです。
福音館書店
作・絵:ウィルとニコラス
訳:わたなべ しげお
ぶどうの木代表 中村 佳恵