西京シネクラブによる映画上映会が12月24日(土)に山口県教育会館(山口市大手町2)で開かれる。韓国の総合芸術賞「百想芸術大賞」で2022年に最優秀男性演技賞、男性助演賞、監督賞の3冠を受賞した「キングメーカー 大統領を作った男」(2021年、韓国)と、「教育と愛国」(2022年、日本)の2作品が上映される。
「キングメーカー 大統領を作った男」
市民運動家出身で、後に第15代韓国大統領となった金大中(キム・デジュン、1924~2009年)と、彼の選挙参謀だった厳昌録(オム・チャンノク)の実話をもとに韓国大統領選の裏側を描いた社会派サスペンス作品。
幅広い役柄をこなすことから「カメレオン俳優」との異名を持つ韓国の名優ソル・ギョングと、「パラサイト 半地下の家族」(2019年、韓国)でIT企業のCEO役を務め、「魔性の声」を持つ実力派俳優と評されたイ・ソンギュンが共演。監督は「名もなき野良犬の輪舞(ロンド)」(2017年、韓国)が第70回カンヌ国際映画祭のミッドナイトスクリーニングに招待され、国内外でその才能が注目されたビョン・ソンヒョン。
韓国東北部の江原道で小さな薬局を営むソ・チャンデ(イ・ソンギュン)は、長く時代を支配してきた独裁政権を打倒して世の中を変えたいという思いから、野党の新民党に所属するキム・ウンボム(ソル・ギョング)を支持していた。チャンデはウンボムの選挙事務所を訪ね、「1票を得るより相手の10票を減らす」戦略を提案する。最初はウンボムにとって賛成できない案だったが、チャンデの豊富なアイデアに助けられ、補欠選挙で初当選。さらに1963年の国会議員選挙では地元の木浦で対立候補を破り、新進気鋭の国会議員として注目を集めることになった。チャンデも表には出ない影の参謀として活躍する。しかし、勝利のためには手段を選ばないチャンデに次第に党内から不満の声が漏れ始める。そんな時チャンデはある爆破事件を引き起こし、ウンボムとチャンデの共闘関係にも変化が――。
「教育と愛国」
さらに、11月に続き「教育と愛国」(2022年、日本)が再上映される。
2022年5月から、日本全国の映画館で順次公開されており、日本ジャーナリスト会議(JCJ)の2022年度(第65回)大賞受賞作品。
2017年に大阪・毎日放送で放送され、ギャラクシー賞テレビ部門大賞を受賞したドキュメンタリー番組「映像'17教育と愛国~教科書でいま何が起きているのか」をベースに、書籍「教育と愛国―誰が教室を窒息させるのか」が2019年に岩波書店から出版。さらに追加取材と再構成を施し映画化された。「教育と政治」の関係を見つめつつ、近年の教育事情を記録したドキュメンタリー作品だ。
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上映時間は、「キングメーカー 大統領を作った男」が午前10時半、午後1時半、同7時からの3回。「教育と愛国」が午後4時から。
それぞれ、前売り券は一般1500円(電話予約可、TEL083-928-2688)。当日券は、一般1800円、19歳から25歳まで1000円、18歳以下800円。