【はじめに】
明けましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げますとともに、本年が県民の皆様にとりまして、より良い年となりますことを心からお祈り申し上げます。
コロナとの闘いは、3年の時を経て、その様相を変えつつあり、長い間停滞を余儀なくされていた社会経済活動は、正常化に向かって進んでいます。
この間、県民の皆様には、県内における感染拡大防止等の取組に格別のご理解とご協力を賜っておりますことに、心より感謝申し上げます。
政府は、昨年末、国民の暮らしや雇用・事業を「守る」とともに、社会課題を成長のエンジンへと転換して持続的な成長を実現させ、経済を「強く」していくための施策を盛り込んだ新年度の予算案をとりまとめ、我が国が置かれた難局を乗り越えていこうとしています。
県においても、中小企業の皆様の事業継続等の支援や、子どもたちの安心・安全の確保、防災・減災対策など、直面する課題に対応するための補正予算を編成し、所要の措置を講じたところです。
また、県では、昨年末、今後の県政運営の指針となる新たな総合計画「やまぐち未来維新プラン」を策定しました。
このプランでは、「安心・安全」、「デジタル」、「グリーン」、「ヒューマン」の4つの視点を踏まえ、これまで挑戦してきた産業維新・大交流維新・生活維新の「3つの維新」をさらに進化させ、「安心で希望と活力に満ちた山口県」の実現を目指すこととしており、このプランに沿った県づくりの取組の具現化に向け、確かな道筋をつけていけるよう、現在、来年度予算の編成に取り組んでいます。
今年は、長引くコロナ禍を乗り越え、県民の皆様と共に、新たな未来を切り拓いていく、そのスタートの年にしていきたいと考えています。
【感染症への対応】
多くの方の命と健康を脅かし、社会経済活動にも大きな影響を与えた新型コロナウイルスは、未だ収束の兆しが見えず、昨年末からは、第8波の感染拡大が続いています。
こうした中、医療従事者の皆様には、昼夜を分かたず献身的に対応していただいており、県民・事業者の皆様にも、感染防止対策やワクチン接種等に御理解、御協力をいただいています。改めて深く感謝申し上げます。
昨年初めに流行したオミクロン株から派生し、現在の感染の主流となっているオミクロン株の亜種については、弱毒化が進んでおり、重症化リスクが大幅に低下していると言われています。しかしながら、特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方々などにとって危険な病原体であることには変わりがなく、引き続き、感染拡大を防止していかなければなりません。
このため、県では、季節性インフルエンザとの同時流行も見据え、休日夜間を含めた診療体制や、受診・相談センターの相談体制、自宅で療養される方の相談・診療体制を強化するとともに、感染・重症化リスクを下げるワクチン接種の促進に取り組んでいるところです。
私は、コロナの危機から、県民の皆様の命と健康を守り抜くため、引き続き、全力で取り組んでまいりますので、御理解、御協力をよろしくお願いします。
【地域経済の活性化】
そして、コロナ禍で大きく落ち込み、加えて、急激な物価・エネルギー価格の高騰や、半導体不足など供給面の制約、世界的な金融引き締めに伴う海外景気の下振れなどに追い打ちをかけられている地域経済を力強く再生し、山口県の元気を取り戻していかなければなりません。
このため、県では、物価高騰対策として、エネルギー価格の急激な高騰により、厳しい経営環境が続いている医療機関や社会福祉施設に支援を行うとともに、輸入粗飼料価格の高騰により大きな影響を受けている酪農家への支援、さらには、中小企業が取り組む賃上げや製品等の価格転嫁の円滑化に必要な資金需要への対応など、所要の措置を講じているところです。
また、今後は、国の取組とも歩調を合わせながら、インバウンドを含む観光など、コロナ禍からの回復が遅れている分野の需要拡大に努めるとともに、新たな成長分野に力を入れていきたいと考えています。
経済情勢は刻々と変化しており、その時々の状況に応じて、スピーディかつ的確に対応していく必要があります。県内経済を確実な回復軌道に乗せていけるよう、今後とも、経済情勢等を見極めながら、必要な対策を講じてまいります。
【新たな未来に向けた県づくり】
3年にわたって続くコロナ禍は、人々の意識や価値観を大きく変え、働き方やライフスタイルに至るまで、様々な変化をもたらしました。その結果、これまで続いてきた東京一極集中の流れが変わり、都市部にはない、地方の豊かな暮らしが、多くの若い世代を惹きつけ、新たな人の流れが生まれてきています。
また、デジタル化や脱炭素化により、社会の仕組みや産業構造にまでわたる大きな変革の時代を迎えており、これらにもしっかり対応していく必要があります。
県では、これらの変化をチャンスと捉え、県民の皆様と共に、「やまぐち未来維新プラン」に沿って、本県の新たな未来に向けた県づくりの取組を進めてまいります。
折しも、国では、デジタルの力を活用して地域課題の解決や魅力向上の取組の加速化を図るため、昨年末、「デジタル田園都市国家構想総合戦略」が策定され、また、今年4月には、こども政策の司令塔となる「こども家庭庁」の設置が予定されています。
県では、こうした国の動きにも呼応しながら、「やまぐち未来維新プラン」に掲げるプロジェクトを着実に推進することにより、まずは、コロナから県民の命と健康を守り抜き、地域経済と暮らしを再生させること、そして、県政を取り巻く様々な環境変化や社会変革への対応や、県政の最重要課題である人口減少対策などに、積極果敢に取り組んでまいります。
【終わりに】
私は、このたび策定した「やまぐち未来維新プラン」に基づき、県民誰もが、山口ならではの豊かさと幸福を感じながら、未来に希望を持って暮らせる「安心で希望と活力に満ちた山口県」の実現に全力で取り組んでまいります。
引き続き、県民の皆様の御理解と御協力を、引き続きよろしくお願いします。