うさこちゃんが目をさますと、窓の外は一面の雪景色。そこですぐに身仕度を整え、あそびに出かけていきました。
まずは坂の上からそりすべり。お次はスケート。大きなゆきだるまを作ったりと、雪の日はおもしろいことがいっぱいです。
ところが、雪の中でことりが泣いているではありませんか。ことりは寒いのが苦手なのです。
そこでうさこちゃんは、おうちをつくってあげることにしました。ことりはそのおうちが気に入って、かわいい歌をうたいます。
夜、うさこちゃんは、窓の外を見ていいました。「ちいさな とりさん おやすみなさい。あした またいっしょに あそびましょ」
オランダ生まれの「うさこちゃん」絵本シリーズは世界40言語以上に翻訳されており、日本でも一九六四年に第一作が刊行されました。
つぶらな瞳のうさこちゃんがくりひろげるおはなしは、国境を越え時代を越えて、読む人の心にあたたかさを届けてくれます。
いつまでも大切に読み継いでいきたい作品です。
福音館書店
文・絵:ディック・ブルーナ
訳:石井 桃子
ぶどうの木代表 中村 佳恵