約90年前に秋穂二島で生まれ、同地域に産地を形成した山口甲高タマネギ。その歴史を振り返る。
山口甲高(別名山口丸)は、秋穂二島で農業を営んでいた中村亀吉氏によって改良・作出されたタマネギだ。「タマネギ小屋と寝床を取り違えていたような」15年の研究の末、1935年に誕生した。
小玉で貯蔵性に優れており、戦後は水稲の裏作として推進。60年代は二島と名田島を合わせて作付面積は100ヘクタール以上あったという。かつてこの地に根を張り一大産地を築き上げた山口の伝統野菜だ。
その後、山口甲高は生産者にとってより栽培しやすい品種へと改良され、現在在来品種は栽培されていない。