毎年2月は日本生活習慣病予防協会が定める「全国生活習慣病予防月間」。生活習慣病予防に対する意識向上や健康寿命の延伸を目指し、「“一無二少三多”で生活習慣病予防」が基本テーマに掲げられている。一無は「無煙・禁煙―喫煙は万病の元」、二少は「小食・少酒―食事は腹七~八分目・お酒はほどほどに」、三多は「多動・多休・多接―身体を活発に動かす・休養をしっかりとる・多くの人、事、物と接する」。2023年の強化テーマは 「無煙・禁煙」で、様々な啓発活動が実施される。
生活習慣病とは?
生活習慣病とは「健康的と言えない生活習慣」が関係している病気のことを指す。偏った食生活や運動・睡眠不足、喫煙、ストレスなどの生活習慣と、家庭・社会環境におけるさまざまな因子の積み重ねによって引き起こされる病気の総称をいう。具体的には、糖尿病、高脂血症、高血圧、骨粗しょう症などが挙げられる。中でも代表的なものは「三大生活習慣病」と呼ばれている、がん(悪性新生物)、心疾患、脳血管疾患で、厚生労働省の「2021年人口動態統計月報(概数)」によると、国内における死因全体の約50%を三大生活習慣病が占めている(グラフ参照)。
早期発見が大切
かつて「成人病」と言われていた生活習慣病は、30~40代で急増。しかし近年では発症年齢が低下し、若者や子どもにもその兆候が見られるようになってきた。
生活習慣病は、「生活習慣を改善すれば予防も可能」と言われている。しかし、初期段階では自覚症状がほとんどなく、忙しさのため食事や運動などに気を付けて生活することが難しい人もいるだろう。その結果、気付かぬうちに自分の体が病気にむしばまれていた、ということもありうる。「自分はまだ大丈夫」「病院に行く時間が取れない」などと、健康診断を後回しにしている人は特に要注意だ。また、コロナ禍で食生活の乱れや運動不足から肥満になったり、外出自粛や生活習慣の変化からストレスを抱えたりしている人も多いのでは。食事の栄養バランスや運動の習慣を意識し、生活習慣病の予防に努めよう。
予防するには?
内臓脂肪を減少させると、生活習慣病の発症リスク軽減につながる。
まずは運動を習慣づけることから始めよう。掃除や洗濯などの家事、徒歩での通勤・通学も運動になる。室内でのストレッチや体操も有効だ。
次に食生活を見直してみよう。脂っこいものや甘いもの、アルコールの摂りすぎには注意。3食を規則正しく、よくかんで味わうことが、過食防止や脂肪燃焼の効率アップにつながる。
禁煙も重要だ。喫煙は動脈硬化や高血圧を招く危険因子。吸う本人はもちろんのこと、煙を吸い込む周囲の人たちにも悪影響を及ぼす。
そして、定期的に健康診断を受けよう。生活習慣病の予防や早期治療のために、健診(検診)は欠かせない。本特集掲載の医療機関も参考に、「元気だから」「忙しいから」と先送りせず、健康診断を受けることで自分の体の状態を正しく把握し、生活習慣病への認識を深めるとともに、血糖値や血圧などの数値の変化に応じて生活習慣を改善していこう。
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