「共謀罪」をテーマにした映画上映・講演会が、2月18日(土)午後1時半から5時半まで開かれる。中国地方弁護士会連合会と山口県弁護士会(共謀罪問題プロジェクトチーム)による市民公開講座で、会場は山口県弁護士会館(山口市黄金町2)。
2017年6月に、いわゆる共謀罪の創設を含む「改正組織犯罪処罰法」が成立した。「共謀罪」とは、犯罪を行うことを具体的に合意した段階で成立する犯罪のことを指し、対象犯罪は277にものぼる。犯罪を計画した時点から捜査対象になるため、日本弁護士連合会(日弁連)などは、「捜査機関が電話やメールを傍受し、防犯カメラやGPSを利用するなどして、国民の日常生活を監視し、個人情報の取得・管理する事態が横行するおそれがある」との見解を示している。
映画上映
当日はまず、午後1時半から3時50分まで映画「スノーデン」(2016年、米・独・仏)の上映会が開かれる。
2013年に米政府による個人情報監視の実態を内部告発した元CIA(米中央情報局)職員・エドワード・スノーデンの実話だ。彼の告発により、IT大手9社が、政府によって進められる個人情報の収集に協力していたことが発覚し、世界のメール、SNS、通話は、米政府に監視されていた実態が明るみに出た。
監督はオリバー・ストーン、主演はジョセフ・ゴードン=レヴィットが務めた。
講演会
続いて、午後4時からは、海渡雄一(かいどゆういち)弁護士が「共謀罪と監視社会」をテーマに、共謀罪の問題点についてわかりやすく解説する。
海渡弁護士は1955年、兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業後、弁護士に。東京共同法律事務所に所属している。これまで、労働、環境、人権など、社会的な事件に長く携わってきた。2010年から2年間、日弁連事務総長を務め、2011年に米「フォーリンポリシー」紙「世界の100人」にも選ばれた。近年は、盗聴法や、依頼者密告制度、共謀罪などの問題にも「弁護士として見過ごすことができない」と、積極的に取り組んでいる。日弁連「秘密保護法・共謀罪問題対策本部」副本部長を務め、共謀罪法案を反対する学習会では度々基調報告を行ってきた。
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視聴・聴講は無料で、事前の申し込みも不要。参加希望者は、当日会場に行けば入場できるが、35人(先着順)の定員に達し次第、受け付けは終了される。
問い合わせは、山口県弁護士会・共謀罪問題プロジェクトチーム代表のかわもと法律事務所(TEL0827-30-8877)へ。