山口市消防本部によると、2022年の火災発生件数は86件(昨年比23件増)で、記録を始めた1952年以来過去最多だった。内訳は、建物34件、林野5件、車両11件、船舶0件、航空機0件、その他36件。農作業に伴う枯れ草の焼却など、その他の火災が昨年より2~3倍に増加したことが、数字を押し上げている一因だと分析している。
同消防本部の藤田豊士予防課長は、「2022年は雨が少なく風が強かった気象状況も関係しているが、『思った以上に火が広がってしまった』というケースが多かった。農作業は大変だと思うが、火入れの際は十分に注意してほしい」と呼びかける。
火災の発生しやすい時期を迎え、防火意識の高揚を図るために「春の火災予防運動」が全国一斉に実施される。期間は3月1日(水)から7日(火)まで。山口市でも、「火災予防作品展」と「春の防火まつり」を通じて、より一層の注意が呼びかけられる。
火災予防作品展
山口市内から応募された絵画、ポスター、習字、標語93点が展示される。これらは、山口県などが主催する「火災予防作品」募集において、山口市の一次審査を通過した作品だ。幼稚園・保育園児による絵画8点、小・中学生によるポスター18点と習字62点、65歳以上の高齢者による標語5点が並ぶ。
日時と会場は、3月1日までがサンパークあじす(山口市阿知須、午前10時から午後8時)で、3月3日(金)から5日(日)までは山口井筒屋(山口市中市町3、午前10時から午後6時半)。
募集には、山口市内から1928点の作品が寄せられた。内訳は、絵画190点、ポスター121点、習字1594点、標語23点。県の二次審査の結果はウェブサイト(https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/soshiki/7/14186.html)で発表されており、習字の小学生の部で 小郡南小4年の中川佳乃子さんが、防火標語の部で美祢市の久保博司さんが最優秀賞(知事賞)それぞれに輝いた。また、旭幼稚園の渡邉旬くん、三つ葉保育園の奥谷遥輝くんが、絵画の部優秀賞に選ばれた。
ポスターと標語の最優秀賞作品は、2023年度の山口県火災予防ポスターに使用される。
春の防火まつり
テレビ山口の木村那津美アナウンサーを1日消防長に迎え、3月4日(土)午後1時半から3時まで「作品展」開催中の山口井筒屋(山口市中市町3)エントランス広場をメイン会場に開かれる。山口市消防音楽隊による「新時代」「チグハグ」「勇気100%」の演奏や、火災予防作品の表彰伝達式、幼年消防クラブ員(旭幼稚園児)による合唱が行われる。2時半には防火パレードが同所を出発。消防職員、消防団員、婦人防火クラブ、幼年消防クラブのメンバーら総勢120人が「Smoke on the Water」「スクエア deマーチング」の演奏に合わせてアーケード街を本町まで歩く。