北海道中標津町にくらす三友さん御夫婦は、約60頭の牛を飼う酪農家です。
三友さんの口ぐせは、「牛飼いの仕事は、まず牛になること。」
牛と一緒に牛の気持ちになって牧草地を歩き、牛にとって心地よい環境が保たれているかどうかを五官をはたらかせて確かめることが、牛飼いの仕事の原点だと考えているのです。
牛は牧草地の草を一日約60㎏食べます。その草を養うために使っているのは、牛のふんと敷きわらをまぜ二年間かけて発酵・熟成させた堆肥です。牛のふんが草を育て、草が牛を育て、そのふんが土を肥やす…この循環の中から牛乳が生まれてくるのです。
東京下町生まれの三友さんが酪農の仕事を知ったのは、高校卒業後、北海道で酪農実習に参加したときでした。自分で一日の仕事を計画していくおもしろさを知り、酪農家になろうと決めたそうです。
三友牧場は今、若い研修生の学びの場にもなっています。「農業は時代の最先端にある産業」という三友さんの思いを引き継ぐ人たちが育っていくことを応援したいと思いました。
農山漁村文化協会
編:農文協
写真:みやこうせい
ぶどうの木代表 中村 佳恵