このほど、女子プロレス団体「スターダム」(https://wwr-stardom.com/)の岩谷麻優選手と飯田沙耶選手が、3月18日(土)にKDDI維新ホール(山口市小郡令和1)で開かれる「岩谷麻優凱旋(がいせん)大会」のPRに、サンデー山口を訪れた。
岩谷選手は美祢市出身。スターダムに1期生として入団し、2011年1月23日の団体旗揚げ戦でデビュー。約1年間シングル未勝利が続いたが、その後抜群のプロレスセンスが花開いた。2013年に3人タッグの「アーティスト王座」に就き、2014年には「ワンダー・オブ・スターダム王座」(白いベルト)を奪取しシングル初戴冠。2015年と2016年には「シンデレラ・トーナメント」の連覇を達成し、紫雷イオ選手と組んだタッグ「サンダーロック」では「ゴッデス王座」V10に君臨した。2017年5月には「ワンダー・オブ・スターダム王座」に返り咲き、同年6月には「ワールド・オブ・スターダム王座」(赤いベルト)を戴冠。史上初の赤白同時王者となった。2019年には、米国ROHの女子王座を獲得。新日本プロレスによるマジソン・スクエア・ガーデン(MSG)大会でも防衛戦を行った。2020年と2021年には、新日本プロレスの新年恒例の東京ドーム大会にも参戦。2022年には、新日本プロレスによって新設されたIWGP女子王座決定トーナメントを勝ち抜いて決勝に進むも、光市出身で元WWEスーパースターのKAIRI(宝城カイリ)選手に敗れ、戴冠はかなわなかった。2019年度の東京スポーツ新聞社「プロレス大賞女子プロレス大賞」を受賞するなど、スターダムのアイコンとしてはもちろん、今や女子プロレス界全体をけん引する一人となっている。
高校1年時に中退し、美祢市の自宅で2年間引きこもり生活を続けていた彼女は、兄が見ていたテレビで初めてプロレスに接し、目が離せなくなったのだという。それからプロレスファンになり、情報を集める中で「練習生募集」の告知を発見。当時は体重45キロもないガリガリの体形(身長は165センチ)で、母など周囲からは「これまで何事も続かなかったのに、厳しいプロレスの世界で続くわけがない」と猛反対を受けたが、それを押し切って上京。その経緯は書籍「引きこもりでポンコツだった私が女子プロレスのアイコンになるまで」(彩図社)として出版され、現在映画化も進められている。
自身の凱旋興行を前に岩谷選手は「選手生活12周年を迎え、初めて『凱旋』と銘打った興行ができて本当にうれしい。全国各地のファンも観戦に来てくれる中で、同級生ら美祢にいた頃を知っている人たちに、『まゆちゃん、こんなになったの?』と驚いてもらえるような試合をしたい。また、プロレスや女子プロレスを生で見たことのない人も多いと思うが、スターダムの選手は一人一人個性も際立っているし、試合内容もわかりやすい。『ちょっと行ってみようか』と気楽に会場に足を運んでもらえたら」と来場を呼びかけた。
また、岩谷選手と同じユニット「STARS」(正規軍)に所属する飯田沙耶選手は、千葉県柏市出身。身長は145センチと小柄だが、筋肉隆々の体格だ。ニックネームは「マッチョ・ゴリさん」で、昨年9月の「第1回マッスルコンテスト」で優勝した。山口での初めての試合に向け「女子プロレスの魅力を伝えるとともに、岩谷選手の凱旋を全力で盛り上げたい」と話した。
試合開始は午後1時から。チケットの購入は「チケットぴあ」からのみで、かつスターダム公式ファンクラブ(有料・無料)への事前入会が必要だ。「最前列席」「アリーナ席」「女性限定シート」「U25シート」は完売しており、「1Fスタンド(声出し応援可)」(8000円)、「3FスタンドA(同不可)」(6000円)、「3FスタンドB(同不可)」(5000円)のみ販売中。この日は、岩谷選手が出場するメインイベントのみ、紙テープの投げ入れが「限定復活」もされる。
「10年ちょっと前までニートで引きこもりだった子が、MSGや東京ドームの大観衆の中で試合ができるまでになった。人生って本当に何が起きるかわからない。今がどん底でも、ちょっとしたきっかけや好きなものをみつけるだけで絶対に好転するということを、皆さんに伝えたい」と岩谷選手。今後の目標は、IWGP女子王座のベルトを巻くことと、ダンプ松本選手を超えるような知名度を獲得し「女子プロレスを知らない人に対して、見るきっかけとなるような存在」になることだという。
「みな会場に入ればプロレス=エンターテインメント芸術の世界に引きずり込まれるはず。男性・女性お一人での来場も多いし、小さなお子さん連れでもOK。今の女子プロレスの魅力を、山口の人たちに伝える貴重な1日にしたい」と意気込んでいる。