先日、「ジブリパークとジブリ展」開催中の熊本県立美術館を訪問した。この夏、当館においても開催予定のため、是非とも視察しておきたかったのである。館内は予想通り、子供連れのご夫婦を中心に大混雑。「スタッフを増やさないと大変だなぁ」などと思いながら展示室を歩いていたその時、突如、ある光景が目に飛び込んできた。若いカップルが「バックハグ」をしながら頬と頬をくっつけて作品に見入っている!
余計なお世話だが、頬をくっつけなくても作品を見ることは可能だ。むしろくっつけない方がいいくらいである。だから、カミさんと展覧会を見る時、私は決してそんなことはしない。しかし、この若い二人はとってもナチュラル。悔しいけど、なんとなくいい感 じ! のところへ、ひとりの女性(展示室の監視)が腰をかがめながら近づいてきた・・・。
「あのー、マスクを着用していただけますか?」
そっち?! ―でも確かに、展覧会場では、まだまだ、それは大事だと思います。
山口県立美術館副館長 河野 通孝