「第50回市民コンサート」が、3月21日(火・祝)午後1時から、山口市民会館(山口市中央2)で開かれる。毎年春の恒例イベントで、"あの名演奏をもう一度"と銘打ち、音楽コンクールで優秀な成績を収めた人や熱心に音楽活動を続けている山口市民を招いて名演奏を再現してもらう。第1回は、同館開館2年後の1974年1月に開催された。新型コロナウイルスの影響で、2020年(47回)と2021年(48回)の演奏会は、出演予定者の演奏を収めたDVDの作成で代替する形になったが、50年間続く歴史あるコンサートだ。
当日のプログラムは2部構成で、出演するのは同市内の小中高大生と社会人約300人。ピアノ演奏、独唱、合唱、管楽演奏が披露される。入場は無料で、予約も不要。
第1部の部門・出演者(学校名)は次の通り。(敬称略)
- ピアノ演奏=山本琉之祐(山口大学附属山口中3年)
- 独唱=柳谷拓希(大殿小6年)、大倉光琉(山口高3年)、阿座上拓也(中央高3年)
- 声楽アンサンブル=山口大学附属山口中「ひひらぎⅢ」、女声合唱とおんきごう
- 合唱=大殿小合唱部、山口高合唱部、野田学園高合唱部、児童合唱団山口、合唱団そうなそ
- 管楽アンサンブル=山口大学吹奏楽部木管3重奏、同大学吹奏楽部サクソフォン4重奏、同大学OB吹奏楽団フルート5重奏
第2部では小郡中、鴻南中、山口大学附属山口中、山口中央高、山口高の生徒188人で編成される「ジュニアオーケストラ」が演奏する。
このオーケストラは、市民コンサート開催20回を記念して、1993年に誕生し、今年30年を迎えた。市民コンサートのためだけに学校や学年の枠を超えて編成されるため、"一期一会"の演奏を聞くことができる。
特別ゲストに山口県出身の声楽家(テノール)藤田卓也と、声楽家(ソプラノ)の白川深雪を招き、「椿姫」より「乾杯」や「ジャンニ・スキッキ」より「私のお父さん」など、歌劇6曲を共演する。フィナーレは、同オーケストラが「交響曲ニ短調 第3楽章」を演奏する。
藤田は、山口県長門市出身、下関市在住の声楽家(テノール)。島根大学教育学部卒、同大学院を修了後、渡欧。第40回アントニン・ドボルザーク国際声楽コンクール(オペラ部門)第2位などを受賞し、欧州各地のオペラ公演や音楽祭に出演して高評価を得て、2006年に帰国した。2008年度山口県芸術文化振興奨励賞受賞も受賞。2015年より藤原歌劇団(東京)に所属し、オペラ歌手やソリストとして活躍する一方で、大阪音楽大学特任准教授、くらしき作陽大学非常勤講師も務めている。
白川は、福岡県北九州市出身の声楽家(ソプラノ)。京都市立芸術大卒、同大学院を修了後渡欧し、約12年間ドイツ、オーストリア、イタリアで研さんを積んだ。これまでに第8回日本モーツァルトコンクール第2位、モーツァルト音楽大賞優秀賞など、多くの受賞歴を持つ。京都市交響楽団、九州交響楽団などと共演した後、2015年からは"オペラの本場"イタリアに進出。現地の歌劇場で「蝶々夫人」の蝶々夫人役、「ジャンニスキッキ」ラウレッタ役、「カルメン」ミカエラ役など、主要な役柄を演じてきた。平成音楽大学講師も務めている。
「半世紀に渡り市民とともにコンサートを続けられたことは素晴らしい。2022年度は歌で優秀な成績を収めた人が多く、たくさんの美しい歌声を聞くことができる。多くの人に生演奏の魅力を感じてほしい」と、主催する山口市文化振興財団。