山口博物館では、この夏、43年ぶりに考古をテーマとした特別展を開催します。今回はその特別展に関連した資料を紹介します。
写真は、山口市の赤妻古墳で発見された石棺(石のひつぎ)。今から約1600年前の古墳時代に、山口盆地を治めた人物を葬った棺と考えられています。
石棺は砂岩をくりぬいてつくられており、長さ231㎝、幅98㎝、高さ61㎝の巨大なものです。
1908(明治41)年に赤妻古墳で土取作業を行った際に発見され、棺内からは、たくさんの鏡や剣、勾玉などがみつかりました。
その大半は、当館のほか、東京国立博物館にも収蔵されており、特別展では東京にある出土品の里帰り展示を予定しています。
当館に移設された赤妻古墳の棺とそこに収められていた品々を一度に見られるチャンスはめったにありません。ぜひ、特別展にてご覧ください。
山口県立山口博物館 考古担当学芸員 阿部 来