山口市は、環境省が地球温暖化対策のために推進している国民運動「COOL CHOICE(クールチョイス)」の普及促進を図るため、「COOL CHOICE川柳コンテスト」を昨年10月から今年1月にかけて実施。147点の作品が寄せられた。
最優秀賞に選ばれたのは「一度下げ 一枚羽織って 二人部屋」。浜安洋子さんの作品で、「冷暖房器具の温度調節、家族が一部屋に集まって過ごそう、衣服を脱ぎ着することを面倒がらずにしようという発想。この作品は、それらを具体的な動作で描きながら一句にまとめたところが巧み。五・七・五の頭に置かれた『一』『一』『二』という数字がリズムを生みながら、COOL CHOICEの理念が端的に伝わってくる。上五と中七を対句形式にして、下五で一足す一が二になっている構成も見事」と評された。
優秀賞は、「ひだまりで ボーっとするのも エコのうち」(こうちゃんママ)、「旬を買う 美味しく食べて 実はエコ」(やっこ)、「ペダルこぐ あなたは小さな 発電機」(野村由佳)の3句。
佳作には、「リメイクで 家計も地球もダイエット」(まい子)、「ぶちクール ぶち暖かく ぶち美(うま)し」(ネアンデルちゃん)、「週末は 自転車漕いで お買い物」(猫地蔵)、「飲み干して ペットボトルよ また会おう」(りょうのん)、「自販機の 誘惑こらえ マイボトル」(ペットボトル)、「暑ければ脱ぐ 寒ければ着る 暮らし」(のんちゃん)の6句が選ばれた。
審査員を務めたのは、杉山久子さん(俳人)、横溝洋一郎さん(フリーアナウンサー)、今村主税さん(温暖化とめるっちゃネットワークやまぐち代表)と同市環境政策課。「脱炭素社会に向けて私たち一人一人が具体的な行動を起こそうというCOOL CHOICEの考えを伝えつつ、ユーモアのある作品をチョイスした。日常生活の中で自分の身に引き付けて詠まれたもの、ちょっとした意識の向け方や工夫が環境保全に繋がると気づかせてくれるもの、それらを前向きにとらえ楽しみながら行動しようとするもの、山口市ならではのオリジナリティのあるもの、他にはないユニークな発想のものなどを選んだ。応募作品の中には、他にも楽しい作品が多くあった。自分を慈しむ気持ちを同じく世界や地球全体にも向けようという思いが、脱炭素社会へのクールな循環を生むことを願ってやまない」と総評した。
「COOL CHOICE」とは、温室効果ガス排出量削減のために、脱炭素社会づくりに貢献する「製品の買い換え」「サービスの利用」「ライフスタイルの選択」など、家庭や職場における日々の生活の中で、あらゆる「賢い選択」をしていこうというもの。山口市が独自に定める11の「賢い選択」は、①宅配便は1回で受け取ろう②省エネ機器に買い換えよう③公共交通機関を利用しよう④自転車を利用しよう⑤エコドライブしよう⑥クールビズ・クールシェアしよう⑦ウォームビズ・ウォームシェアしよう⑧ワンウェイプラスチックを無くそう⑨エシカル消費をしよう⑩地産地消しよう⑪旬の食材を残さず食べよう、といった取り組みだ。