2023年2月に起きた「トルコ・シリア地震」の被災地支援で、国際緊急救助隊(JDR)・医療チームの一員として3月4日から16日まで現地に派遣された。
「地震から1カ月が経過して日常生活を取り戻しつつあったが、いまだテントで暮らす人も大勢。乳児は過敏に反応して泣き、子どもは無表情で言葉を発しないなどの姿が見られ、心理的ダメージの大きさを改めて実感した」と、当時の様子を振り返る。
震源地から約8キロ離れたガジアンテプの“野外病院”で、産科・婦人科の診療を補助。看護師と助産師の資格を持っていることから、胎児の安否を心配する母親や女性患者の問診などを行った。
帰国後は、活動報告会や大学での授業を通じて自身の体験を伝えるとともに「トルコに関心を持ち続け、災害を風化させないで」と呼びかける。
【プロフィル】1968年12月宇部市生まれ。地元の高校を卒業後、専門学校を経て長野県看護大で修士号を山口県立大で博士号を取得。2012年から同大で母性看護学や国際看護論などを教える傍ら、16年に国際協力援助隊(JDR)医療チームに登録。