今年1月、厚生労働省は企業の障がい者雇用率を現在の2.3%から段階的に引き上げ、2026年度に2.7%に引き上げることを決めた。2022年6月時点で企業に雇用されている障がい者は約61万人と過去最高だったが、障がい者雇用を達成している企業は約48%で半数以下。そのため、今後は障がい者を雇用する企業への支援の拡充も進められる予定だ。
山口県央ロータリークラブによる創立25周年記念講演会「障がい者と企業との共存共栄から共生へ」が、5月11日(木)午後4時から、山口グランドホテル(山口市小郡黄金町1)で開催される。入場無料で、予約も不要。
講師を務めるのは、カムラック代表取締役の賀村研さん。障がいを持つ人が成長し、ビジネスの戦力・パートナーになるという“企業と障がい者の協働体制”をどのようにしたら築くことができるかについて聞くことができる。
賀村さんは1972年愛媛県出身。日本大学農獣医学部を卒業後、民間企業での勤務を経て、福岡市でIT分野に特化した「障がい者就労継続支援A型事業所 株式会社カムラック」を設立。カムラックグループの代表として8社の会長や代表を務め、障がい者就労支援事業を手掛けている。2022年には、従業員や顧客など人を大切にする経営をしている会社を表彰する「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の審査委員会特別賞を受賞した。
「障がいのある人、サポートしている人、障がい者雇用を考えている企業担当者、『多様性』について考えるきっかけに」と、主催の同クラブは聴講を呼びかけている。
「ロータリークラブ」は、1905年にアメリカ・シカゴで誕生した国際的な奉仕団体。同クラブは1998年5月12日に創立総会を42人の会員で開き、同27日に加盟承認された。近年は、小・中学生対象の職業体験学習、山口市内にある母子生活支援施設利用者の自立支援、幸崎公園の清掃、山口農業高での就職模擬面接などを実施している。また、2013年からは、タイの山岳民族「アカ族」を継続事業として支援。教育環境の整備や、豚の肥育・売却による自立循環システムの構築、浄水設備の新設などにも取り組んでいる。