じゃが芋を剝いていたら右手中指を切ってしまった。研いだばかりの包丁だったので深くそいだ。急いで消毒と絆創膏を数枚重ねて貼った。
それから何事をするにしても右手の怪我した指をかばうので不自由で困った。すると左手が自主的に右手を補うのである。右手で棚の上の物を取ろうとしたら、すかさず左手が−私がするわよ。あなたは休んでいて−とすっと伸びてきて用事を済ませてくれる。
今まで右手が主流であったので、左手は右手よりか弱い。それでも今は左手に頼るしかない。左手は努力した。
一年前に握力を計ったら右が27㎏(50代後半の平均値)であったが、左は20㎏にも満たなかった。私は小さい時から背も横幅もあり、力持ちでもあった。小学生時のあだなは、坊主頭の怪人をいう入道。
20日程度で右手中指の怪我は治り、支障なく動かせるようになった。たわむれに握力を計ってみた。右手は、危惧したとおり大幅に低下して20㎏に満たなかった。が、おお! なんとしたこと、左手が28㎏だ。左手が主役になることにより鍛えられたのだ。眠っていた能力が引き出されたのだ。
もしかしたら、私にも使っていない能力があるかもしれない。まだ伸びしろはある・・・起こさねば。