山口市宮野下の県営住宅周辺を舞台にした絵本がある。作者は約40年前、同所に私設図文庫を開いた現役の図書館職員だ。
絵本は「おかあさんになったノラ」(2007年、芸文社)と、「ずっとずっとそばにいるよ」(2009年、同)の2冊で、作者は山口市宮野在住、山陽小野田市立図書館長の山本安彦さん。
子どもが本に触れる機会が増えるようにと1980年、同県営住宅集会所に私設文庫「みやの子ども文庫」(現在休館中)を開設した人でもある。絵本はそこで出会った野良猫を主人公にした親子の物語だ。画家・本田哲也さんによる挿絵には、今も残る宮野の風景を見ることができる。