日本センチュリー交響楽団による山口市特別演奏会「夏の第九」が、7月2日(日)午後3時から、山口市民会館(山口市中央2)で開かれる。
日本では「第九」の愛称で親しまれ、年末の風物詩ともなっているベートーベンの最高傑作の一つ「交響曲第9番ニ短調作品125合唱付」を全曲聞くことができる。第1楽章から第4楽章まで約70分の構成で、第4楽章は「歓喜の歌」としても親しまれている。
同楽団は、大阪府のオーケストラとして1989年に発足し、2011年に公益財団法人日本センチュリー交響楽団として大阪府から独立した。現在は50人のメンバーが在籍し、飯森範親が首席指揮者、秋山和慶がミュージックアドバイザー、久石譲が首席客演指揮者を務めている。また、2021年7月に旭酒造(岩国市)会長の桜井博志さんが理事長に就任。同館では、昨年11月にも演奏会が開かれた。
本公演では。指揮は水戸博之が務め、ソリストに岩下晶子(ソプラノ)、金子美香(アルト、宇部市出身)、小原啓楼(テノール)、小森輝彦(バリトン)を迎える。さらに、1956年に創設された日本を代表するプロ合唱団の東京混声合唱団も出演。当日は、「混声合唱とオーケストラのための たいようオルガン」(木下牧子)と「第九」の2曲が演奏される。
同館では、12月29日(日)にウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団がコンサートを行う予定だ。その際、ともに「歓喜の歌」を奏でて平和を祈ろうと、「山口市民合唱団」が練習に取り組んでいる。そのこともあり、「今年は『第九』の年にしたい」と同館。
「日本センチュリー交響楽団と東京混声合唱団とのコラボレーションは、めったにない機会で、夢のような共演。また『第九』の演奏は、山口市民合唱団にとっても、年末に向けて大いに参考になると思う。日本最高峰の演奏を、ぜひ聞きに来て」と同館の松田和寛副館長は来場を呼び掛けている。
チケットは、S席3000円でA席2000円(全席指定)。学生は各半額になる。同館、YCAM、山口井筒屋、三好屋レコード店、アスピラート、宇部市文化会館、コンビニ端末で購入できる。未就学児の入場は不可で、託児サービス(1人目700円、2人目以降500円)の利用は、6月25日(日)までに同館(TEL083-923-1000)へ申し込む。
「オーケストラ・キャラバン」と題された今回の公演は、文化庁の「統括団体によるアートキャラバン事業(コロナ禍からの文化芸術活動の再興支援事業)」により開催される。オーケストラだけでなく、オペラ、バレエ、演劇、能、ポップス、文化施設等の関係団体が力を合わせ、コロナ禍での萎縮を乗り越えようと、全国各地でさまざまな催しが開かれる中の一つだ。そのため、入場料は大阪府での同楽団定期演奏会の半額程度と、低く抑えられている。