7月21日からはじまる「やまぐち大考古博―みよう、ふれよう、やまぐちの3000年―」では、山口県ゆかりの貴重な品々を一挙大公開する予定です。
写真は、下松市の天王森古墳で発見された巫女形埴輪です。約1500年前のものと考えられています。
手を前に組んで捧げものする巫女の姿をかたどった埴輪は西日本では珍しく、山口県内では初めて出土したものです。天王森古墳ではこのほかにも、大刀、家、盾などの器物をかたどった埴輪がみつかりました。このうち、巫女形と家形埴輪は、やまぐち大考古博で初公開となります。
これらの埴輪は継体大王の墓とされる大阪府高槻市の今城塚古墳のものとよく似ているといわれています。継体大王は瀬戸内海航路を通じて、朝鮮半島への派兵や筑紫君磐井の征討などを行いました。天然の良港である下松地域の重要性は、古墳時代以来のものといえるでしょう。
山口県立山口博物館 考古担当学芸員 阿部 来