毎年7月は、「社会を明るくする運動~犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ」の強調月間。この運動は、「すべての国民が、犯罪や非行の防止と犯罪や非行をした人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、犯罪や非行のない安全で安心な明るい地域社会を築く」ことを趣旨としている。戦後の混乱期である1951年に「犯罪や非行のない社会の実現」を目指して始まり、今年で73回目を迎えた。
山口県推進委員会では「犯罪や非行が生まれるのは地域社会だが、罪を償い、改善更生を果たす場もまた地域社会。罪を犯した人も非行をした少年も、いずれは改善更生して社会に復帰し、地域社会の一員として、より良い社会の実現を担うことになる。犯罪や非行のない安全・安心な社会を築くには、国および地方公共団体が各種政策を進めていくのはもちろんのこと、国民の一人一人が犯罪や非行から立ち直ろうとする人たちの意欲を認め、地域社会の中に受け入れ、見守り、支えていくことが大切」だと呼びかける。そして、「犯罪や非行を防止し、安全で安心して暮らすことのできる明るい地域社会を築く」「犯罪や非行をした人が再び犯罪や非行をしないように、その立ち直りを支える」の二つの行動目標を掲げ、「引き続き県内の関係機関・団体および地域住民相互が連帯を深め、誰もが気軽に参加できる『地域との連携』『地域と協働した活動の推進』に取り組み、犯罪や非行のない明るい地域社会を実現させるための効果的な活動を展開し、本運動に対する地域の人々の理解と参加を求めていく」としている。
啓発活動として、7月3日には伊藤和貴山口市長らが参加して山口市中心商店街をパレード。7月11日(火)には、「1日保護観察所長」を務めるyabの宮原睦実アナウンサーが、山口県推進委員会委員長の村岡嗣政県知事に、内閣総理大臣メッセージを伝達する。
山口県内の犯罪情勢は?
山口県内の犯罪情勢を見ると、刑法犯の認知件数は、2002年以降20年連続で減少。2022年は3845件で、戦後最少(最多は1948年の4万496件)だった。とはいえ、犯罪率(人口10万人当たりの刑法犯認知件数)は289.5件で全国9位と高い。
犯罪の内訳は、万引きや自転車盗などの窃盗が62.3%を占めており、器物損壊が10.5%で、その他は27.2%。そして、窃盗被害に遭った案件の無施錠率は、自転車盗が79.1%、住宅への侵入盗が74.3%、住宅以外への侵入盗が62.7%に上っている。また、うそ電話詐欺の件数は107件で、被害額は2億5265万円に上る。一方、子ども(18歳以下男女)に対する声かけ・つきまといは573件、同じく女性(19歳以上)に対しては185件だった。