食品機能化学を専門とする山口大の農学部教授で、「昆虫食」の研究に取り組んでいる。
2013年に国連食糧農業機関(FAO)が、飢餓問題の解決策として昆虫食を推奨してから、近年注目を浴びている分野だ。「食肉の代替食と考えると抵抗があるが、昆虫食はメタボ抑制やアンチエイジング、免疫力増強効果などがある“機能性食品”。栄養失調と栄養過多の両方を解決できる可能性を持っている」と話す。自身も日々の食事に昆虫食を取り入れたところ、1カ月半で体重減少などの効果があったという。
研究を始めたきっかけは、昆虫好きであったことと、昆虫について知らない学生の多さに驚いたこと。コロナ禍前には、クモのかき揚げやコオロギの中華炒めなどが並ぶ昆虫試食会も学内で開いていた。「昆虫食の普及と科学(理科)の面白さが伝われば」と話す。
【プロフィル】1967年5月徳島県生まれ。広島大理学部生物学科卒業後、同大大学院で博士(理学)号取得。山形大医学部助手を経て、2010年に山口大農学部に着任。同大大学院創成科学研究科教授。好きな昆虫食は、「サクラケムシの天ぷら」。