「山口でなかなか上映される機会のない良質な単館系新作映画を、自分たちの手で上映・観賞する」ことを目的に活動している「西京シネクラブ」の7月例会(上映会)が、7月22日(土)に山口県教育会館(山口市大手町2)で開かれる。今回は、「オマージュ」(2021年、韓国)を3回、「妖怪の孫」(2023年、日本)を1回上映する。時間は、前者が午前10時半、午後1時半、7時から。後者は午後4時から。
オマージュ
映画の修復プロジェクトに携わることになった女性映画監督が、フィルムの修復作業を通じて自分の人生とも向き合い、新しい一歩を踏み出す姿を描いている。ヒット作に恵まれず、新作を撮るめどが立たない映画監督の女性ジワンは、1960年代に活動した女性監督ホン・ジェウォンが残した映画「女判事」の欠落した音声を吹き込むという仕事を引き受ける。作業を進める中で、フィルムの一部が失われていることに気付いた彼女は、ホン監督の家族や関係者を訪ね、失われたフィルムの真相を探っていく。そしてその過程で、女性の活躍が今よりもずっと困難だった時代の真実を知り、フィルムの修復とともに、自分自身を回復させるかのように人生を見つめ直していく―。
ジワン役は、「パラサイト 半地下の家族」で高台の豪邸に暮らす社長一家の家政婦を演じたイ・ジョンウン。彼女の夫役に「あなたの顔の前に」のクォン・ヘヒョ、息子役に「愛の不時着」のタン・ジュンサンら、韓国映画・ドラマファンにおなじみの実力派俳優が集結した。女性監督のシン・スウォンが、自身の体験や思いを投影した作品だ。
電話予約(TEL083-928-2688)で申し込む前売り券の料金は、一般1500円。当日券は、一般1800円、19歳から25歳まで1000円、18歳以下800円。
妖怪の孫
7月8日に一周忌を迎えた安倍晋三元首相を扱ったドキュメンタリー映画。菅義偉前首相を題材にした異色のドキュメンタリー「パンケーキを毒見する」のスタッフが再結集し、日本の憲政史上最も長く首相を務めた安倍氏が日本国に遺(のこ)したものを「彼がもたらしたのは、美しい国か、妖怪の棲(す)む国か?」と検証している。
電話予約(TEL083-928-2688)で申し込む前売り券の料金は、一般1200円。当日券は、一般1500円、19歳から25歳まで1000円、18歳以下800円。
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主催する同会の大久保雅子代表は、「『オマージュ』は、映画が過去と現在をつなぐ物語。親しみの持てる等身大の女性が主人公、きっと女性たちにエールを送ってくれる。『妖怪の孫』は、私たちに身近な政治家を描いたドキュメンタリーだが、この映画を見て問われているのは、私たち自身だと思う」と話している。