山口県立萩美術館・浦上記念館(萩市平安古町、TEL0838-24-2400)で、特別展「浮世絵×カブキ 江戸の役者絵展」が8月27日(日)まで開催されている。
江戸時代に人気を博した歌舞伎は、朝から晩まで上演されたほどの人気ぶりだった。そして、歌舞伎役者の肖像写真や舞台写真のような役割を果たしたのが役者絵だ。輝くオーラ漂う役者の全身像、クローズアップされた似顔など、浮世絵師たちによって、劇場の魅力が再現された役者絵は、浮世絵版画の中でも絶大な出版量を誇るジャンルだった。
本展は、役者絵が誕生する元禄期から明治期まで、時代の流れに沿って構成。浮世絵師たちが追及した表現の変遷をたどる展示となっている。例えば、三代目市川八百蔵が描かれた歌舞妓堂艶鏡による「三代目市川八百蔵の梅王丸」は、大きな瞳や、正面へ向けられた力強い視線など、現代女性たちからも”イケメン”の声が高く、人気の作品だ。
また、期間中の日曜日の午前11時からは、担当学芸員によるギャラリーツアー(申し込み不要)もある。
「大好きな役者=”推し”の姿を見たい気持ちはいつの時代も同じ。人々の心をつかんだ役者絵の魅力を堪能して」と同館。
開館時間は午前9時から午後5時まで(入館4時半まで)。観覧料は一般1300円、大学・高専生1100円、70歳以上は1000円。18歳以下は無料。