山口市在住の美術家・山根秀信さんの個展「オブジェ-風景2023」が、8月23日(水)から9月3日(日)まで、C・S赤れんが(山口市中河原町5)で開かれる。入場無料。
山根さんは、1959年山口市生まれ。東京芸術専門学校を1985年に卒業した。1984年から東京を中心に創作活動を始め、1991年からは田窪恭治氏によるサン・ヴィゴール・ド・ミュー礼拝堂(フランス・ノルマンディー)の再生プロジェクトに約2年半参加。その後山口市に拠点を移し、創作・発表活動を続けている。1996年に山口県美術展覧会の大賞を初めて受賞し、2011年と2017年にも大賞に輝いた。また、1998年には、大和作太郎翁賞と山口県芸術文化振興奨励賞を受けている。
「オブジェ」は、山根さんが2000年ごろから取り組んでいる風景画のシリーズ。微妙な中間色の色調と薄い皮膜のフィルターがかかったようなテイストが特徴だ。住宅地やスーパーの駐車場といった日常の風景が、人の気配を排除して、淡々と無機質に描かれている。本展ではこれらの作品に加え、2017年の山口県美展で大賞を受賞した「食卓の上の廃墟2017」や「オルドュール神殿」といった立体作品も合わせて、計56点が展示される。
展示作品について山根さんは「当然だが、私たちは社会や歴史に条件付けられた中で存在している。しかし、日々の生活の中でそのことを意識することはほとんど無い。あるときから日常の風景が、そのような私たちの在りようを考える題材として、私の前に現れてきた。それ以降、風景を題材にして絵画とインスタレーションによる表現を試みている」と説明する。
時間は午前9時から午後5時までで、26日(土)午後2時からは、山根さんによるギャラリートーク(予約不要)もある。28日(月)は休館。「さまざまな年代の作品を通して、山根さんの魅力を感じてほしい」と同館(TEL083-928-6666)は来場を呼び掛けている。