創建は鎌倉時代に遡ると言われる細野神社は、篠目地区の鎮守社で、現在氏子は百二十軒と地元の方にお聞きした。生い茂る檜林に延びる参道を150メートルも登ると社殿が見えてくる。この神社は八幡宮であるとともに天満宮でもある。いわゆる相殿と呼ばれる神社形式で、祭神は応神天皇と菅原道真公となる。
天満宮なので今なお氏子によって御神幸祭が行われ、石州街道沿いの集落入口付近には神事を執り行う御旅所が残っている。また、地元の古老のお話によれば、今から百年くらい前までは、境内の下方に現在よりも少し長い二段の細長い広場があり、これを楕円形に繋いで周回できる馬場として使用して奉納流鏑馬も行われていたとのことである。
文・イラスト=古谷眞之助