日中はまだまだ暑い日が続いていますが、9月8日は二十四節気の「白露」、朝夕に秋を感じられることが多い時期になり、秋吉台で行っている夜の天体観測も快適になります。
さて、この夏に撮った天体写真を整理していて、びっくり! ものすごい数の人工衛星が写っていたのです。これまでにないことなので、調べてみると、近年、民間企業による人工衛星の打ち上げが盛んに行われており、特にアメリカのスペースX社のスターリンク衛星はこの7月だけでも183機も打ち上げられていました。我々の頭上には人工衛星が常にたくさん飛び交っているのです。しかし、美しい星空にたくさんの人工衛星が見える状況は、天文学では由々しき問題です。便利な生活になっていく反面、美しい星空が無くなっていくことが残念でなりません。宇宙の環境問題をちょっと頭の片隅に置きながら、秋の星空を楽しんでください。
山口県立山口博物館 天文担当学芸員 岩村 和政