今回は街道の話題から離れて、篠目駅を紹介しよう。SLブーム到来で有名になったこの駅は「やまぐち号」の停車駅でもある。篠目駅が出来たのは今から一世紀前の大正6年のことだった。現在は無人駅だが、最盛期の昭和30年頃には駅員も10数名を数えたという。仁保駅からの急坂を越えてきたSLは、水を消耗することから、ここに給水塔が設けられた。30トンタンクがレンガ造りの塔の上部にあったというが、今は失われている。
松本清張の「砂の器」がTVドラマ化される際に篠目駅がロケ地として選ばれたことをご記憶の方もおられるだろう。近々SLも復活するようなので、石州街道ウォークの際には是非お立ち寄りをお勧めしたい。
文・イラスト=古谷眞之助