山口県弁護士会(松田訓明会長)と中国地方弁護士会連合会は、シンポジウム「ケアを踏まえた社会を考える~ SDGsゴール8『働きがいも経済成長も』ディーセント・ワークの実現を目指して」を開催する。日時は10月27日(金)午前9時半から正午までで、会場はかめ福オンプレイス(山口市湯田温泉4)。手話通訳と要約筆記もあり、ウェブ配信による聴講も可能だ。
2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)の一つに「働きがいも経済成長も」がある。安定した生活を送るために切り離せない「仕事と経済」に焦点を当てた目標で、「ディーセントワーク」(働きがいのある人間らしい仕事)は、その実現に必要なものだ。
最初に、埼玉大学人文社会科学研究科教授の金井郁さんの基調講演がある。男性の育休取得率の低さ、男女や正規・非正規の賃金格差といった日本におけるディーセントワークの欠如の現状を踏まえ、日本が目指す方向について、女性労働や関連する非正規労働の課題を中心に話す。
続いて、パネルディスカッションを実施。パネリストは、ILO(国際労働機関)駐日事務所の高﨑真一駐日代表、障害者雇用や65歳以上の高齢者雇用も積極的に進めている製造業カワトT.P.C.の桐田直哉代表取締役、セブン&アイ・ホールディングス経営企画部オフィサーで弁護士の冨樫久美子さんの3人。基調講演を踏まえて、それぞれの意見を述べ、さらに議論を深める。コーディネーターは、県弁護士会の牛見和博さんが務める。
また、「ディーセント・ワークの実現には、障害者の社会参加の促進や就労意欲の向上も重要な課題」であることから、会場では「ディーセントワークマルシェ」が開催。県内八つの障害福祉サービス事業所(インクルー・ジョブ、周南あけぼの園、つくし園、てご屋自立支援センター、鳴滝園、柳井お仕事ステーション、ワークス周南、ワークステーションひかり苑)による帆布バッグ、クラフトバンド製品、パン等の授産品の販売や、障害のある人が制作した作品の展示もある。
参加は無料だが、事前の申し込みが必要だ。希望者は、申し込みフォーム(リンクはこちら)から申し込む。
県弁護士会は「働きがいのある人間らしい仕事の実現は、貧困の減少や、健康増進にもつながり、持続可能な社会を実現するために不可欠。一人でも多くの人に関心をもってほしい」と参加を呼びかけている。