「10月もかかし? そう、いつでもかかし」と題された展示会が、10月29日(日)まで山口ふるさと伝承総合センター(山口市下竪小路)で開かれている。観覧は無料で、時間は午前9時から午後5時まで(最終日は4時まで)。
展示されているのは、YICA(山口現代芸術研究所)のメンバーによる、「かかし」をテーマにした8作品。9月17日に山口市仁保で開催したワークショップ「あなたのかかしを作ろう」の成果物だ。このワークショップ(アート講座)は、「かかしが田んぼに立っていたり、椅子に座っていたりする風景は、見かける。しかし、人間がいるように思わせるために創ったかかしの効果は、余り持続しないような感じがする。雨が降っても、風が吹いても、日が照っても、闇の中にも、かかしは静かにそこに存在する。自然の一部として。では、かかしを創った私は何者? そんなことを考えながら、あなたのかかしを創って田んぼに置いてみよう」との趣旨で開かれた。それぞれ、現地(田んぼ)で調達した自然素材(土、草、木、竹等)などが使われている。実際の「かかし」を持ち込んだものと、田んぼに設置した様子を写真で見せる展示がある。出品者(順不同・敬称略)は、藤川哲、鈴木啓二朗、ハセガワタカシ、坂本杏苑、嶋田日出夫、三好悠月、白川美幸、末永光正、中野良寿。さらに、ワークショップ時の写真や映像も見学できる。嶋田さんは「実際に作品を見て、それぞれのかかしに内在する秘められた芸術性を自由に感じてほしい」と来館を呼びかけている。
また、10月22日(日)には、作品を作って中庭に展示するワークショップ「稲わらでアート」も開催される。YICAのメンバーが講師を務め、稲わら・植物・土・石ころ・麻ひもなどの自然素材を使用して、展示する空間も含めて作品とする「インスタレーションアート」の制作を体験できる。小学校高学年以上が対象で、小学生は要保護者同伴。参加料は500円で、定員は6人(先着)。参加希望者は同センター(TEL083-928-3333)へ。
この展示は、山口のアートやものづくりを月替わりで紹介している同センターの「マンスリー企画」の一つとして開催。一方、1998年5月に設立されたYICAは、山口での現代芸術の振興と地域の活性化を目指し、展覧会、講演会、読書会、ワークショップなどを通して「魅力的な芸術との出会いの場を創る」ことを目的に活動している。