日本の国石をご存じですか? それはひすいで、2016年に日本鉱物科学会が選定しました。
ひすいは、古代の人が装飾や魔除けとして使っていた石として知られています。一般にひすいとよばれている石は、地球科学的にはひすい輝石とネフライト(透閃石や透緑閃石)に分けられます。ひすい輝石は輝石という鉱物のなかま、ネフライトは角閃石という鉱物のなかまで、両者は別々の鉱物です。日本の国石はひすい輝石の方です。
地球上でひすい輝石ができる場所は限られていて、日本列島のように海洋プレートが大陸プレートに沈み込んでいる場所です。日本での産地はいくつかあり、新潟県の糸魚川地域は有名です。糸魚川にあるひすい輝石が展示されている施設に行くと、たくさんの原石を見ることができます。色はさまざまあり、緑色、白色、青色、ラベンダー色などとっても魅力的ですよ。
山口県立山口博物館 地学担当学芸員 赤﨑 英里