平和や教育、子どもたちの幸せについて考える「第68回日本母親大会」が、11月25日(土)と26日(日)に山口市内の2会場で開かれる。山口県内では初開催となる。新日本婦人の会など44の団体で構成される実行委員会の主催。誰でも参加可能だ。
初日の25日は、午後1時から4時までKDDI維新ホール(山口市小郡令和1)で全体会。
記念講演を担当するのは、室蘭工業大学大学院教授の清末愛砂さん。「あらたな戦前に抗する~小さな幸せを支える尊厳がおびやかされない社会をめざして」の演題で講演する。清末さんは周南市出身で、憲法学、家族法、ジェンダー法学などが専門。2002年の英国留学中には、パレスチナの非暴力運動「国際連帯運動」のメンバーとして現地でデモに参加。イスラエル軍の発砲により被弾し、右足を負傷した経験を持つ。当日は、「人としての尊厳」「ジェンダー差別」など、現在の日本社会での個人の尊厳について話す。
また、下関市民合唱団(下関市)による合唱や、北中山子ども神楽(岩国市)による神楽なども披露される。
翌26日は、午前9時半から正午まで、KDDI維新ホールと山口県教育会館(山口市大手町2)の2会場で、12の分科会が行われる。「子どもと教育」「平和と民主主義」などさまざまな問題をテーマ別に話し合う。
KDDI維新ホールでは特別企画も開催。「金子みすゞの生涯と詩とジェンダー」と題し、作家の松本侑子さんが、みすゞの生涯と文学を写真とともに話す。
参加は有料で、事前申し込みが必要だ。山口県在住者は、2日間参加の場合2300円、1日の場合1300円。全体会はオンライン参加も可。申し込み、問い合わせは新日本婦人の会山口支部(TEL083-925-2651、メール:matsudomi.akiko@khaki.plala.or.jp)まで。
母親大会は、1954年(昭和29年)に太平洋のビキニ環礁であった水爆実験でのマグロ漁船「第五福竜丸」の被ばくをきっかけに、その翌年に開始。6月に東京で日本大会が、7月に世界大会が、8月に山口県大会がそれぞれ初開催された。以後、地域や時代に即したテーマを、母親の立場から考える取り組みが各地で行われている。