C・S赤れんが(山口市中河原町5、TEL083-928-6666)で「琴線にふれる音~パリで見つけたクラヴサンの響き」が、12月16日(土)午後2時から開かれる。同施設所管のチェンバロの音色を、會田賢寿が奏でる。同館と山口市の主催。
會田は、1983年千葉市生まれ。高校卒業時からチェンバロを学び始め、東京藝術大学音楽学部を卒業後に渡仏。パリ国立高等音楽院に学び、栄誉賞付き満場一致の首席で修了した。その後もパリ市立音楽院の演奏家課程において研さんを続け、フランス音楽を中心にしたプログラムと演奏解釈に対し満場一致の称賛付きでディプロムを取得。ソリストとして初のCD「AUX IDEES HEUREUSES」がフランスのレーベルから発売されるなど、ヨーロッパでの活発な演奏活動に加え、パリ郊外のマルリー・ル・ロワ音楽院の講師、オーベルヴィリエ・ラ・クールヌーヴ音楽院のチェンバロ伴奏員として、後進の育成にも力を注いでいる。
当日は、「神々の対話」ほかクラヴサン曲集第1巻より(シャンボニエール)、フランス組曲第1番(バッハ)、組曲イ短調 新クラヴサン曲集(1728)より(ラモー)などが演奏される予定。ちなみに「クラヴサン(クラブサン)」とは、チェンバロ(ドイツ語)のフランス語での名称だ。
前売り券は2000円で、同館、YCAM、山口市民会館、サンパークあじすで購入できる。当日券は2500円で、残席がある場合のみ販売される。
「他のチェンバロ奏者から『海外を拠点にする実力派チェンバロ奏者がいる』と聞きオファーした。本場で学んだ技術や演奏法を聞ける機会はめったにないので、ぜひ会場に足を運んでほしい」と主催者。
演奏されるチェンバロは、山口市が「西洋音楽発祥の地」をPRするために1995年に制作したもの。1551年、フランシスコ・サビエル(ザビエル)がキリスト教布教の許可を得るために大内義隆に献上した13品の中に鍵盤楽器「マニコルディオ」があった。小型で箱形の楽器「マニコルディオ」がその後改良されてチェンバロになったと言われている。山口市は、この楽器による「西洋音楽発祥の地」であることを広く発信するために、大内氏の家紋「大内菱」とフランシスコ・サビエルの紋章を施したチェンバロを制作。そして、この史実を多くの人に知ってもらうために、毎年C・S赤れんがでチェンバロコンサートを開いている。