日本で初めてのクリスマスミサ(1552=天文21年)がここ山口で執り行われたとの史実を地域のブランド力向上やにぎわいにつなげようと、「日本のクリスマスは山口から」(日クリ)事業は1997年の初開催以来約25年、地域の人たちの手により続けられてきた。「日本のクリスマスは山口から実行委員会」(岡部達矢委員長)は、今年も「12月、山口市はクリスマス市になる。」と宣言。趣旨に賛同する数々の催しが、12月の山口市を舞台に繰り広げられている。
山口の灯り
この時季の風物詩ともいえるイルミネーション「山口の灯り」は、市内各所にお目見え。
亀山公園広場(山口県立美術館横)には、日クリのシンボルとも言える旧サビエル記念聖堂を模したシンボルイルミネーションが点灯中。初登場した2009年から2018年までは、新亀山公園ふれあい広場や一の坂川交通交流広場で輝いてきたが、2019年からは同所で灯されている。
近くの木々は、山口市の光のコンセプト「未来を奏でる光のアンサンブル」をテーマに、色とりどりにライトアップ。"西洋と東洋"、"キリスト教"と"仏教"、"古い価値観"と"新しい価値観"などの「重なり」が山口市の未来を作り出してきたと振り返り、重なり合うこと(=アンサンブル)で強さや未来が生まれるとの意味が込められている。そのコンセプトアイコンが描かれた行灯も遊歩道に設置。さらに、愛と絆の象徴「LOVEオブジェ」や、踏むたびに色の変わるアトラクションも置かれている。点灯される期間は12月31日(日)までで、時間は午後6時から10時。
その他山口市中心部では、C・S赤れんが前庭「ハートツリーMOMI」、大殿大路・竪小路周辺の「大殿あかりさんぽ」、中心商店街の一部などがライトアップされている。さらに、象頭山山頂「光る象のイルミネーション」、山口大学吉田キャンパス正門付近、中原中也記念館前カイヅカイブキ、井上公園、JR新山口駅北・南口駅前広場なども、鮮やかな光で彩られている。
また、山口市徳地地域では、60カ所を越えるイルミネーションが街を飾る「とくぢ行って美夜(ミナイト)が1月20日(土)まで開催中。そして、12月23日(土)から1月8日(月・祝)までは、山口市阿東にある高さ20メートルを超える2本のもみの木に電飾が施される「クリスマスナイトフェスティバル」もある。会場は、阿東地域交流センター地福分館。
恋するピンチョス
9店舗が参加する「食」の取り組み「恋するピンチョス」は、今年で4年目となる。
「ピンチョス」とは、山口や日クリに縁のあるフランシスコ・サビエル(ザビエル)の故郷で、「美食の聖地」として知られるスペイン・バスク地方の軽食。生ハムやオリーブなどさまざまな食材が、串(ピンチョ)に刺さって"つながる"料理だ。同実行委は、「『恋するピンチョス』は、人と人との心がつながるような特別な料理。ぜひ、大切な人と一緒に楽しんで」とコンセプトを説明する。
料理内容や提供日時は店舗ごとに異なる。また、対象メニューを注文すると、参加店で使用できる2000円割引券が当たる「シールくじ」にチャレンジできる。参加店舗等詳細は、ウェブサイト(https://xmas-city.jp/event/pintxos2023/)で確認を。
きずな音楽祭
毎年恒例の「山口きずな音楽祭」は、10+5回目。2019年から「10回目という節目を超え、これからの10年を、新しいステージにしていきたい」との思いを込めて「10+」回との表記になっており、今回で15回目となる。
2014年の第6回から、コロナ禍の2020年を除いて出演を続けている「LE VELVETS(ル ヴェルヴェッツ)」が歌声を披露する。メンバーは、佐賀龍彦、佐藤隆紀、日野真一郎、宮原浩暢の4人で、全員が身長180センチ以上かつ音楽大卒の実力派男性ボーカルグループだ。グループ名は、上質でなめらかな生地「Velvet」(ヴェルヴェット)に由来し、音楽評論家で作詞家の湯川れい子が命名した。クラシックはもちろん、ロック、ポップス、ジャズ、果ては民謡に至るまで、さまざまなジャンルを自在に表現し、舞台やミュージカルなど、それぞれがソロでも活躍している。
今回は、一般公募の「クリスマス市民クワイア」が、2019年以来4年ぶりにステージに上がり、日クリのテーマ曲「きずな」(作詞:湯川れい子、作曲:宮川彬良)を、彼らとともに歌う。毎年、事前練習を重ねた上で当日のステージに上がるのが恒例となっていたが、コロナ禍により中断されていた。
開催日時はクリスマス当日の12月25日(月)午後6時半からで、会場は山口市民会館(山口市中央2)。
前売券は、一般6000円、学生(小中高生)3000円で、山口市文化振興財団チケットインフォメーション(YCAM内、TEL083-920-6111)かコンビニエンスストア設置端末で購入できる。当日券は、各500円高。託児サービス(有料)は、12月18日(日)までの申し込みが必要だ。詳細はウェブサイト(http://www.kizunaxkizuna.com/)で。
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各事業に関する詳細や「クリスマス市」関連イベントについては、公式ウェブサイト(http://www.xmas-city.jp/)を参照のこと。問い合わせは、同実行委員会(TEL083-925-2300)へ。